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2014年05月19日

浦小鉄砲合戦始末記1

第八章「浦小鉄砲合戦始末記」

 二子浦小学校の体育教師、梶原マサムネは、その日、放課後の校舎の見回りをしていた。
 いかにも体育教師らしい、堂々たる体格である。超大型少年であるバンブーを、さらに二回りほども拡大したような体格をしている。少し股を開いた歩き方からすれば、おそらく柔道出身と言ったところだろう。
 45歳。
 さすがに足取りは昔のように軽くはないが、まだまだ子供たちににらみを利かせるには十分な体力が残っている。
 ぺしぺしと、スリッパの音をひびかせながら、校舎内を巡回する。
 もう下校時間が近いので、まだ残っている生徒がいれば、帰るようにうながさなくてはならない。
 北側校舎一階にさしかかった時、なにやら集団でさわいでいる声が聞こえてきた。
(また馬鹿どもがホタえとるな)
 梶原先生は、よく「ホタえる」という、どこの方言かわからない言葉を使う。
 正確な意味はわからないのだが、どうやら「ふざけている」という意味に近いらしいということを、浦小の子供たちはみんな、経験的に知っている。
(また一つカミナリでも落して、さっさと帰らせるか)
 ぺしぺしというスリッパ音を、さらに高くひびかせながら、梶原先生はさわぎの聞こえる方に向かう。
 この特長的なスリッパ音、実はけっこう、わざと立てている。「ほら、怖い先生がここまで来ているぞ」と、あらかじめ小学生たちに、警告してやっている面もある。
 子供はふざけていると、こわい大人に叱られる。
 当たり前のことだ。
 当たり前のことは当たり前として、しっかり子供に教えるのが大人の仕事だ。
 これだけわかりやすく警報を鳴らしてやっているのに、それでもホタえている子供には、一発お灸をすえてやるしかないのだ……

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 同じころ、図工準備室。
 図工教師、三又アツシは、いつものように椅子に深々とすわって、目を閉じていた。
 眠っているのではない。
 じっと耳を澄ませている。
 準備室は図工室のすぐとなりにあり、図工室の小学生たちのやりとりは、みんな聞こえているが、三又先生は基本的に放置する。
 その場に居合わせると、教師として一応注意はしなければならない場面も出てくるので、なるべく図工室の方には行かずに、準備室で過ごしている。
 きちんと注意を払いながらも、子供のことはなるべく子供同士で解決させる。
 大げさに言えば、それが三又先生の教育方針みたいなものだ。
 しかし、この日ほど自分の教育方針を破って、図工室の方に顔を出してみたい誘惑にかられたことはなかった。
 達人クラブ三人組+スーパークラス委員と、学校一の秀才+6年ボスグループ三人組。
 その両者が図工室を戦場にして輪ゴム鉄砲合戦をするというのだ。
(見たいなあ……)
 正直、そう思った。
 基本的に地味で退屈な学校生活の中で、こんな面白いショーはめったにない。
 しかし、同じ部屋で観戦してしまうと、図工室での輪ゴム鉄砲の撃ち合いを、図工教師公認でやっていることになってしまうので、それはさすがにマズいのだ。
 実は昨日、「撃ち合いをやるなら、念のため水中メガネをかけるように」とアドバイスをしたことも、けっこうマズいと言えばマズかった。
 先生が「輪ゴム鉄砲で打ち合いをする」ということ自体は認めたことになるからだ。
 三又先生の常識で言えば、輪ゴム鉄砲でケガをする可能性はきわめて低く、目さえちゃんと保護すれば、危険はほぼ0パーセントになるはずだ。
 しかし学校内で(たとえ輪ゴム鉄砲であっても)銃撃戦が行われたと知られれば、文句をつけられる可能性は十分ある。
 なるべく無駄な騒ぎは起こらない方が良いので、昨日輪ゴム鉄砲合戦の話が子供たちの間で盛り上がったとき、一旦は止めようかとも考えた。
 しかし、やらせた場合のプラスとマイナスを考え、結局やらせる方を選んだ。
 コーサクやタツジンのやっている、バカバカしくもハイレベルな工作の値打ちを、他の生徒たちにも教えてやりたかったのだ。
 なんでも金を出して買えばいいと思っている子供たちに、手作りパワーを思い知らせてやりたかったのだ。
 それは工作好きの図工教師の悲願でもあった。
 そして今日、コーサクは見事、大役を果たし終えた。
 時間にすればほんの数分の鉄砲合戦だったが、聞き耳をたてているだけでも血の騒ぐいい戦だったようだ。
 図工室にひびきわたる「コーサク・コール」を準備室で聞きながら、三又先生は会心の笑みを浮かべていた。
 合戦の模様を自分の目で観戦できなかったのは残念だが、事故もなく良い結果が出て一安心した。
 少し図工室が盛り上がりすぎてやかましくなっているので、そろそろ止めに行こうかと考えていた時、三又先生の耳に、ぺしぺしという特長のあるスリッパの音が聞こえてきた。
(しまった、梶原先生だ!)
 図工室のさわぎにまぎれて、いつもなら聞き逃すはずのないスリッパ音に気づかなかったのだ。
 あわてて図工室に入り、子供たちを止めようとしたが、時すでに遅し。
「こらあ! おまえら何をやっとるか!」
 壁の向こうで、雷が鳴りひびいてしまった。
 三又先生は、とっさに教室を見まわす。
 逃げ足の速い観客の男子生徒たちは、梶原先生が怒鳴りこむのと同時に、ドッと反対側の出入り口から脱走していく。
 取り残されているのは鉄砲合戦をしていた当事者の、美術部4人とボス三人組+殿山マサルだけだ。
 輪ゴム鉄砲を持ち、水中メガネをかけた異様な風体なので、梶原先生の視線にがっちりロックオンされてしまい、逃げるに逃げられない。
 三又先生はさらに図工室を見回し、すみっこに逃げ遅れた美術部二人、花村ナオミと小島ハルカを発見した。
 そっと移動して二人に耳打ちする。
「おい、斎木ちゃん呼んで来い。たぶん職員室にいる。いそげ!」
(つづく)


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2014年05月20日

浦小鉄砲合戦始末記2


 職員室にかけ込んできた花村ナオミと小島ハルカに手をひかれ、6年1組担任の斎木マモル先生は、図工室へと入って行った。
 その日、放課後の図工室で何やら行われるらしいことは、三又先生から聞いてはいたのだが、「大して問題はないと思うが一応話を通しておく」というニュアンスだったので、さほど気にしていなかった。
 それでも念のため、何かあった時に連絡がつきやすいよう、放課後は職員室で用事をこなしていた。
そこに、美術部の二人がかけこんできたのだ。

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 図工室に入ってみると、腕組みをして仁王立ちになった梶原先生の姿があった。その前には、美術部4人(コーサク、タツジン、バンブー、神原シオネ)と、織田ヒロト、米田ノボル、相田キョウイチ、殿山マサルが立たされている。
 三又先生は渋い顔で頭をかきながら、そのかたわらに立っている。
「梶原先生、うちのクラスの生徒が、何かしましたか?」
 ごく静かな口調で、斎木先生が声をかける。斎木先生の場合はいつもこういう口調で、声を荒げたり、感情的になったりすることは、まずない。
「お、斎木先生! いや、参りましたよ。先生からも、この生徒たちに注意してやって下さいよ!」
 梶原先生が戸惑った様子で訴えてきた。厳しくこわもての体育教師が手こずっている様子は、ちょっとめずらしい反応である。
「斎木先生! あたしたち、怒られるようなことは、なんにもしてません!」
 スーパークラス委員・神原シオネがきっぱりと言い放つ。
「ぼくもそう思います。怒られる理由が理解できれば反省しますが、今回はぜんぜん理解できません」
 学校一の秀才・殿山マサルが、間髪おかずに保証する。
「おまえら、まだ屁理屈を言ううつもりか!」
 梶原先生がついつい声を荒げてしまう。
 ほかの子供たちは、困惑気味に体育教師と優等生二人のやりとりを見守っている。三又先生はというと、うんざりした表情でさかんに目配せをおくってくる。まるで「斎木ちゃん、なんとかしてくれ!」という声が聞こえてくるようだ。
 双方から事情を聞いてみる。
 梶原先生側の主張はシンプルである。
 放課後、教室内でさわぐのは、それだけでケシカラン。その上こいつらは輪ゴム鉄砲の撃ち合いなどをやっていて言語道断である。よって、この場の者は全員、謝罪の上、反省するように!
 神原&殿山の優等生コンビの主張は、こうである。
 さわいでいたのは逃げてしまった観客達であって、自分たちではない。そもそもこの輪ゴム鉄砲合戦は、美術部で作った鉄砲と買ってきた鉄砲の、性能を比べるための試合である。念のため、参加者は水中メガネをかけるなど、安全には十分気をつけているので、なんの問題もなく、謝罪も反省も必要ない!
 そして、三又先生とその他の子供たちの気分はというと、彼らの表情から察するに、こんな感じだろう。
 あ〜あ、クラス委員も秀才も、こまけーことで粘んなよな。そんなもん、怒鳴られたらテキトーに謝っちまえばすぐ済むのに。まったく、これだから怒られ慣れてない真面目なヤツらは困るんだよな……
 なんとなく事情ののみこめた斎木先生は、しばらく黙って考えた。
 構図的には「怒ったり怒られたりするのに慣れた人々」VS「いままで怒られたことがあまりない二人」であると分析する。
 双方、納得できる落とし所はどこか?
 斎木先生は、二人の方に話しかけた。
「神原さん、殿山くん、キミたちが自分たちなりによく考えて、活動するのはいいことだと思う」
 二人はうなずく。
「でも、頭の中の計画だけでなく、実際に何かをやるというのはとても難しいんだよ。常に予想外のことが起こるものだと考えなければいけない」
 殿山マサルが大きくうなずいた。
「ほんとにそう思いました。ぼくは今日の鉄砲合戦で、まさにそのことを勉強しました!」
 斎木先生もうなずきながら続けた。
「それなら、こう考えられないか? キミたちがやった鉄砲合戦には、たくさんの友達が見学に来ていたようだね。実際にゲームに参加しているキミたちは水中メガネをかけていたけど、見学していたみんなはどうだったかな?」
 意外な指摘に、神原シオネと殿山マサルは顔を見合わせた。
「かけていませんでした」
「では、もし輪ゴム鉄砲の流れ弾が、見学している子達の方に飛んで行ったらどうなるだろうか? たしかに可能性としては非常に低いけれどもね」
 殿山マサルが答えた。
「わかりました。確かに事故の確率0ではなかったと思います」
 神原シオネもそこは素直にうなずいた。
 二人とも論理で理解できればあっさりしたものである。頭ごなしを嫌うのと、間違いをすぐに認めるのは、方向は正反対でも、根っこは同じことなのだ。
「梶原先生、すみませんでした。これからは、人に輪ゴムが当たる可能性のあることは、しないようにします」
 神原シオネがクラス委員の務めを果たして、代表で謝罪する。
「うむ。今後は気をつけるように。それから、そろそろ下校時間を過ぎているから、もう帰りなさい」
 浦小を代表する優等生二人の意外な反撃をもてあましていた梶原先生は、内心ホッとしながら、そそくさと図工室をあとにした。
 ぺしぺしという特長のあるスリッパ音が、今日は心なしか小さく頼りなく聞こえるようだ。
 そしてペしぺし音が十分遠くなるのを確認してから、斎木先生は図工室に残る一同に向けて、こう言った。
「さあ、みんなで散らかった輪ゴムを片づけて、帰ろうか」
 こうして、図工室の鉄砲合戦は、ようやく終結したのだった。
(もう少しつづく)
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2014年05月21日

浦小鉄砲合戦始末記3


 翌朝、登校したコーサクを待っていたように、殿山マサルが話しかけてきた。
「鈴木くん、ちょっといいかな?」
 手には何やら大きな図鑑を持っている。
「なんなの、トノサマ?」
「ちょっと、このページ見てくれる?」
 それは地球の大気の断面図を、見開きで図示したものだった。
 図の下の方には陸や海の様子がうすく描かれ、上の方には宇宙空間を表現する暗い星空が描かれている。そしてその中間の青空の部分には、様々な高さに様々な形の雲が描かれ、大気の流れの方向が矢印であちこちに書きそえてある。
「ほら、前の金曜日、理科の時間に、雲の観察をやったじゃない? あの時、キミがほかの雲とちがう動きをするのが一つだけあったと発表しただろう?」
「ああ、あれはもういいよう。きっとぼくの見まちがいだよ」
 コーサクは、ややうんざりしながら答えた。
「ちがうんだよ! かんちがいしてたのはぼくの方だったんだ。ほら、この図を見てごらんよ」
 なんなんだ、と思いながらコーサクはトノサマの開いた図鑑をのぞきこむ。
「地面から空を見上げると、雲はどれも同じような高さを飛んでるように見えるよね? でも、この図を見ればわかる通り、一言で『空』と言っても、ものすごく高度に幅があるんだね。だからそれぞれの高さで大気の動きはそれぞれちがって当たり前なんだよ」
「ということは……」
「そう、キミの観察通り、飛んでる雲の高度によっては、ちがう方向に流れるんだよ。だからこの前はごめん!」
「いや、いいよもう雲の話は……」
「ダメだよ! まちがってたことはちゃんと訂正しないと!」
 コーサクは苦笑した。やっぱり、秀才って、普通人と感覚がちがうよな……
「ほんとは一昨日くらいに気づいてたんだけど、例の鉄砲合戦さわぎで頭とんじゃってて。ぼくってほら、なにか一個気になりだすと、それに夢中になっちゃうから。報告が遅くなってごめんね」
 結局、こいつもいい友達だったんだなと、コーサクはあらためて思った。
「それから昨日の合戦中に佐竹くんが言ってた言葉、ぼくにも意味教えてくれないかな? ほら、キミが急に復活して百発百中になったやつ」
「闇夜に霜が降る如くってやつ?」
「そう、その言葉」
「いいよ。あれはね、戦国まつりのときに雑賀孫末さんが伝授してくれた、戦場での射撃の心がけのことなんだよ」
 それからコーサクとトノサマは、朝の時間を熱心に話しこんですごしたのだった。
    

 その日の放課後、図工室。美術部の面々が集まっている。新5年生の勧誘にむけて、そろそろクラブの代表を決めなければならないのだ。
 スーパークラス委員・神原シオネが、まず最初に意外な提案をした。
「あたしはコーサクくんがやったらいいと思う」
「え? なんで!」
 コーサクがおどろいて反問する。
「そんなの、神原がやりゃいいじゃん!」

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 当然そうなるものと思っていたのだ。
「残念でした。クラス委員はなるべく部長と兼任しないように言われてるの」
「……そうなのか。じゃあ、花村は? 浦小で絵が一番上手いし、美術部部長にはふさわしいだろ?」
「ナオミちゃんには、作品制作の方でがんばってほしいの! うちの部の主戦力アーティストに雑用なんかさせちゃダメよ!」
「う〜ん、そうかあ……」
 さすがのコーサクも、ほかのメンバーの名前は出しづらかった。何しろ自分以外で残っているのは、孤高の達人と、最近引っ越してきたばかりの転校生と、不思議ちゃんだったのだ。
(この状況だと、やっぱりぼくかなあ……)
 どうやら役職を受けざるをえない模様だ。
「わーかった! やるよ。やりゃいいんでしょ!」
 やけくそのように、そう宣言した。


 そのころ準備室では、図工教師・三又アツシ先生が、いつものように椅子に深々とすわって、目を閉じていた。
 眠っているのではない。じっと耳を澄ませている。
 準備室は図工室のすぐとなりにあり、図工室の小学生たちのやりとりは、みんな聞こえているが、三又先生は基本的に放置する。子供のことは、なるべく子供同士で、である。
 この日はとなりで美術部の代表を決めるミーティングが行われている。
(へ〜、コーサクのやつ、部長になるのを引き受けたか)
 意外な成り行きに、少しおどろいていた。
(マイペースな工作マニアも、一皮むけたな。前のあいつだったら、ぜったい部長になんかならなかったろうに……)
 椅子から立ち上がって、雑然とものが積み上げられた棚の方に行く。
(そろそろ、小学生でもできる鎧兜の作り方、考えとかないとな……)
 戦国時代の甲冑の資料集をとりだしてパラパラめくりながら、手持ちの材料をあれこれ物色し始める図工教師だった。
(次回、最終回)
posted by 九郎 at 22:19| 図工室の鉄砲合戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月22日

浦小鉄砲合戦始末記4


 やがて下校時間になった。
 図工室に集まっていた美術部メンバーも、てきとうに片付けて校舎を出、校門のところで「バイバイ」して、それぞれの家路についた。バンブーがみんなとわかれてしばらく歩くと、一人になるのを待っていたように、背後から声がかかった。
「よう」
 ふりかえると、そこにはタイショー、織田ヒロトの姿があった。
 今回は一人である。いつものような「三人組」ではない。
「……なんか用かい?」
 バンブーが答える。両者、しばらくの沈黙。
 別に用ってわけでもと、タイショーがガリガリと頭をかいた。
 そしてしばらくの沈黙のあと、こう言った。
「なんつーか……バンブーって呼んでもいいか?」
 ふとバンブーの表情がゆるんだ。
「……いいぜ、タイショー」
「ああ、そう」
 再び両者沈黙。
「……まあ、そんだけ。じゃあな」
 それだけ言うと、織田ヒロトはさっさとその場を後にしたのだった。


 そろそろ日のかたむいた6年1組の教室に、たった一人、担任の斎木マモル先生の姿があった。
 もう下校時間はずっと前に過ぎており、教室にも校庭にも、生徒の姿は一人もない。
 まだ午後五時前なので、職員室にはほとんど全ての先生が残っているが、それ以外の校舎内はガランとして静まりかえっている。
 斎木先生は、自分の教室をゆっくり巡回しながら、生徒による掃除が行きとどかなかった所を清めたり、ゆがんだ机をまっすぐ直したりしている。

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 斎木先生はきれい好き、片付け好きだ。
 お片付けは、単に目の前のものを整えたり収納したりすれば良いというものではない。
 それぞれのものには、それぞれに座りの良い場所というものがある、と斎木先生は考えている。
 理想的な位置に収まったものは、使いやすく、片付けやすく、ちらばりにくくなる。
 この新しいクラスの教室は、まだまだ使いこみが足りないので、何をどこにおけば良いのかわかりきっていない。
 ちらばりやすく、一回一回の片付けに試行錯誤が必要なので、時間がかかる。
 それでも新しいクラスがスタートして約一週間たった今、それなりに、ものの配置の方向性は見えてきたような気もする。
 ゆっくり教室内を見回し、ときに立ち止まって考え事をしながら、このもの静かな先生は、放課後のひと時を過ごしている。一つ一つの座席にすわる生徒の顔を、一人一人思い浮かべながら、何事かを考え続けている……

(「図工室の鉄砲合戦」完)

posted by 九郎 at 22:21| 図工室の鉄砲合戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月23日

「図工室の鉄砲合戦」あとがき

 先月から連載してきた「図工室の鉄砲合戦」、ようやく完結しました。
 最後まで読んでくださった皆さん、ありがとうございます。
 私の運営する本家ブログ縁日草子読者の皆さんが多いことと思います。
 神仏にまつわるあれこれを、折々の興味のままに節操なく描き続けてきた私ですが、本作「図工室の鉄砲合戦」には、久々に「今自分が持っている全て」を投入できた感がある、とても気に入った作品です。
 今回、自分で絵をつけてネット公開できたことは、これはこれで現時点でベストの形だったのではないかと思います。
 絵については、一応児童文学である「この作品向けの絵柄」を、一から探りながら描いていった感じです。
 40枚ほど描いてようやく肩があたたまってきた所で完結になってしまったので、まだちょっと描き足りません(笑)
 せっかくキャラクターの顔立ちやプロポーションが安定してきた所なので、すでにアップした絵の手直しや、表紙絵、各章の扉絵など、今後もぼちぼち続けていきたいと思います。
 
 年齢的なものもあると思いますが、最近子供の頃のことをよく思い出します。
 本作「図工室の鉄砲合戦」は、小学生の頃の自分や友人たちのことを、現在の私が夢の中で思い出しながら、一緒になって遊び狂ったような作品でした。
 執筆を思い立ってから第一稿完成までの数ヵ月間、本当に楽しかったことが記憶に残っています。
 また懲りずに何か描けたらいいですね。

 このブログ「放課後達人倶楽部」は、今後も断続的に記事をあげていきます。
 こちらの特設ブログでは、本家「縁日草子」のようなアヤシイ記事はありませんので、小中学生にも安心してお勧めください!

 それでは本家「縁日草子」ともども、よろしくお願いします!
posted by 九郎 at 22:57| Comment(0) | 図工室の鉄砲合戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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